イメージのアウトプットが表現力を鍛える

今日は表現力のお話です。
「アウトプット」という言葉はもうすっかり日本語に溶け込んでいますね。実際にアウトプットを継続すると演奏の表現力にも良い影響が出てきます。本番で上手く弾けるかどうかは別にして、練習時から豊かな表現ができる方法を一つご紹介します。

ギターケースに鍵をかけて外に出よう

これは、とあるコンクールでの審査員の講評です。「ギターケースに鍵をかけて外に出よう」は、つまり外の木々や草や花や風や自然の雰囲気を感じ取って、自分の音楽と結びつけようという意味です。
楽譜とにらめっこして、楽譜の発想記号に合わせて演奏することは大事なことですが、それに加えて自分が感じたことと結びつけよう、そのために外に出てたくさん感じようということでした。

アウトプットは自分自身の中にあることを何かしらの形で外に出す、つまり表現することです。文字や絵やイラストはそうですし、写真にとってプリントアウトすることも風景を形にするという意味ではアウトプットです。肌で感じるような、目に見えないことでも文字やイラストにすることで、細かなニュアンスを形にすることができます。

やりやすいアウトプットを継続する

私の所属するアンサンブルでは、練習の一環として他のメンバーの演奏にコメントをすることが定番化しています。

弾き方やミスを指摘して改善を促すことは御法度で、よく知っている曲でもまっさらな気持ちで聞いて、感じたことを言葉にします。その時の気分にも左右されますし、自分の流行りにも左右されます。

月1回のペースで2年以上続いており、その語り合いの場面に参加できない場合は文字で予め書くことになっています。

これを始めた頃は、「またこういう、曲を聞かせてください」のような趣旨とはそぐわない発言か時々ありました。しかし続けることで、色や風景や全く別の分野から例えると言ったその人独自の言葉が多く聞かれるようになりました。

コンクールやコンサートは格好の練習場

コンクールにしても、フリーコンサートにしても、アンサンブルの発表会にしても、曲を聞けるところなら、紙とペンさえあればどこででもトレーニングができます。

いつの頃からか当たり前のように、感想をメモ書きするようになりました。自分が演奏するときも緊張が紛れて良いんですよ。

そしてやってみると意外と楽しい。

↑弾き手にも励みになるアウトプット

アウトプットを繰り返しているうちに、曲に取り組む時に、ここは〜な感じだなとか、冒頭から最後まではこういうストーリーだなとか、いろいろイメージが湧くようになり、発想記号と組み合わせることで強調の仕方が変わってきたなぁと思います。

やる価値ありです笑。

先日参加したフリーコンサートでも参加された方の演奏全てに感想を書いてお出ししました。残念ながら、感想を書かれた提出されたのは全体の2割くらいで、他の方は白紙だったのですが、私は今後も続けていこうと思っています。