セギディーリャ(Seguidilla)の話

こんばんは。今日もブログを読んでくださってありがとうございます。

先日のアンサンブル練習(リモート)で、トローバの『ラ・マンチャの歌』から「セギディーリャ」がアップされましたので、その話題です。

リモートのアンサンブル練習でどんなことやってるの?という内容の記事はこちらをご覧ください。

さて、リモート練習のなかで「セギディーリャ」って?リズムってなに?という話をしていました。
この手の内容に詳しいキャプテンに解説をしてもらいたいところなのに、
この日はあいにく体調不良で完全にオーディエンス。

後日メールで質問に答えていただくということになりました。

メンバーそれぞれ出来る範囲でセギディーリャについてググってはみたのですが、ビゼーのカルメンの中で出てくるセギディーリャばかりが検索にかかるだけで、結局何かわからず終いでした。

セギディーリャってなんですか?

キャプテンいわく。

取り敢えずざっくりとした感じでは(ざっくりとしか分かってないので…)、
ラ・マンチャ地方が起源とされている民謡/踊りで、やっぱりカスティーリャ地方が中心となるようです。スペイン各地にセギディーリャの名がついたものが分布するみたいです。

キャプテンとのメール

要するにその土地に古くからあったリズムってことですね。日本の各地に民謡があってその土地その土地の節回しがあって、スペインも同じで、そのうちの一つということなんでしょう。

以下、キャプテンのお言葉を借りてまとめながら書きますと・・・

歌の側面から

歌の側面から紐解いていくと、歌詞は四行詩をベースにしているそうです。
その中から、二行分(1行目と2行目、みたいに)を二回ずつ歌って
最後にもう一行分を加えて一回として、それを四回繰り返す、というのがパターンとされてます。

(↑何回か読むと理解できます。笑)

例えば…

四行詩の例だと

(1行目) 君の名を言って、君に手紙を書くために

(2行目) 私はポカペナ、悲しい心

(3行目) バラとカーネーションの花々 君のベッドが匂う

(4行目) それらの香りが立ちこめる  窓辺を通して

        ↓

歌詞の組み合わせの例

一回目 1行目、2行目、1行目、2行目、+3行目
二回目 2行目、3行目、2行目、3行目、+4行目
       ・
       ・
ややこしい。

踊りの側面から

踊りの側面では、男女のペアで一組。このペアが何組も一緒に踊るっていうのが代表的なパターンだそうです。
みんな一緒にそれぞれペアで世界を作ってればいいって感じでしょうか。
なのでお祭りとか、みんなでわーっとやる時にぴったりなんでしょうね。

このへんもお国柄ですよね。日本の民謡や踊りで男女がペアで一緒に踊るということはまずないですから。

リズムの側面から

リズムの側面からは、3拍子で、
①タンタカ、②タンタカ、③タン・タン
とかが典型的な刻みです。

「ラ・マンチャの歌」のセギディーリャの場合、おもてにその刻みが出てこないんですけど、
バックでそう刻んでるとイメージするといいかもしれません。

Sonatia冒頭

「ラ・マンチャの歌ってえんなら、そらあおめえセギディーリャでシメだろうが」ってえ
江戸っ子ならぬカスティーリャっ子の気分だったのですかね?トローバ的には。
(注:キャプテンは江戸っ子です。また、「セギディーリャ」は『ラ・マンチャの歌』の終曲です。)

どちらかというと、トローバならソナチネの第一楽章なんかはコテコテに刻んでますよね。
アルベニスだと組曲『スペイン』の7番「カスティーリャ」とか3番「セビーリャ」とかがいかにもなリズムかな、と。

補足と蛇足

冒頭で「スペイン各地にセギディーリャの名がついたものが分布する」とお話しましたが、
フラメンコの「セビリャーナス」(アンダルシア的には「セビジャーナス」)というのは、
元の名前は「セギディーリャス・セビリャーナス」(セビーリャ地方のセギディーリャ)だそうです。

つまり、どこの子も名前は一緒なんで「セビーリャんとこの」といえば判る、みたいな?

蛇足ですが、アルベニスのセビーリャの冒頭部分は、刻み方をちょっと変えれば「セビリャーナス」みたいになるので、
セギディーリャス → セビリャーナス への変わり方を体験できるそうです。

ということで、キャプテンから解説をほぼそのままお借りしましたが、
近くにこれだけのことを分かりやすく解説してくれるお方がいることにまず感謝です。

ムーミンさんから私はよくキャプテンのパンドラの箱を転がすので恐ろしいと言われるのですが、
今回もなにかしらやらかした感がします。