ソナチネは小さなソナタ

え〜、冒頭からどうかとは思うのですが、
ソナチネの意味も知らず、曲を弾こうとしておりました。

今回も今さらな内容なんですが、ソナチネから
ソナタについての私のお勉強のお時間です。

お付き合いいただければ幸いです。

モノマネ中の大泉さん

ポンセ作曲 『南国のソナチネ』

よく「南のソナチネ」と呼ばれている曲す。
あえて「南国の」と書いているのは、原題が『Sonatina Meridional』で、
「Meridional 」は南方のとか、南欧、南国のという意味があり、
単に「南の」というと、ちょっと物足りない感じがするからです。

私の師匠はコンサートプログラムに「南の国の」と書いています。

さて、クラシックギター界では有名なこの曲。
弾いてみようと始めたものの、出だしの1フレットセーハで諦めたこの曲。(苦笑)

ソナチネなんですよね。

ソナチネについて調べたところ

イタリア語で、「楽器で演奏される(曲)」の意味を持つソナタ(sonata)という言葉に、
意味を弱くする-inaという接尾語をくっつけた言葉です。

なので、ソナチネ(sonata+ina=sonatina)は、
「小さなソナタ」のような意味になります。

「ONTOMO」WEBマガジン2021.04.13 指揮者 大井駿さんの記事より

簡易版ソナタってことですね。

そもそもは、バロックから古典の時代に移り、一般市民がピアノを楽しむようになった時代に、
難易度の高いソナタではなく、もう少し親しみやすい短くて比較的易しいソナタを
というところからソナチネが広まったそうです。

ソナチネという言葉そのものは、17世紀後半に、
マティアス・ケルツ(1635?〜1695)によって初めて使われたということです。

なるほど、ソナチネ=小さなソナタ は納得しました。

ポンセのこの曲も「南国の小さなソナタ」っていうことですよね。

じゃあ ソナタ ってなんだよ

となれば、今度は「ソナタ」がわかりません。(泣)

ソナタは日本語では「奏鳴曲」と訳されているようです。
これを聞いてもピンときません。

ですので、いろんなサイトの記事を読み漁ってみたのですが、情報量が多すぎる…
誤解をしないように丁寧に書いてくれてるんですが、初学者にはつらい…

要するに「ソナタ」って

そもそもは歌唱(カンタータ)が主だった教会音楽の中で、楽器を用い始めたことに由来する。
楽器を演奏する、鳴り響くという意味(ソナーレ)が語源。

  • 起源は13世頃
  • 17世紀中頃の「教会ソナタ」と「室内ソナタ」がある
  • 「トリオソナタ」もあり、単音楽器2つと通奏低音で構成
  • 18世紀後半の「新しいソナタ」が現代に続いている

という歴史をもっている。(←自分で理解しながら書いてます。)
土台となる形は17世紀頃につくられているから、18世紀後半の「新しいソナタ」は17世紀の踏襲・発展系。

今ある「ソナタ」は、この「新しいソナタ」の形式をもっていることが多い。
※作曲家の生きた時代でソナタの指す形式が多少変わることには注意したい。

で、もう少し詳しくまとめると

教会ソナタ

1曲4楽章の編成が多数

緩ー急ー緩ー急の構成

教会と名前がつくだけあって
荘重な楽章
フーガ風な楽章
テンポの遅い装飾的な楽章
テンポの速い舞曲風な楽章
などの組み合わせ

調整は変わらないことが多い

室内ソナタ

1曲3楽章の編成が多数

急ー緩ー急の構成

舞曲を含む
教会ソナタより世俗的

同一の調性によって全曲が統一されている

新しいソナタ

1曲3〜4楽章の編成

急ー緩ー急の構成

速目の第1楽章
ゆるやかで抒情的な第2楽章
メヌエット(あるいはスケルツォ)による第3楽章
非常に速い第4楽章
メヌエット(スケルツォ)楽章を省いた3楽章形式の作品も多い

で、ポンセやトローバのソナチネは?

ポンセの『南国のソナチネ』は、きっとこの「新しいソナタ」に分類されて、メヌエット(スケルツォ)の部分が省かれたものなんでしょうね。

第1楽章Campo(田園)、第2楽章Copla(唄、民謡?)、第3楽章Fiesta(祭り)で、
弾く人のテンポにもよりますけど、だいたい急ー緩ー急の構成です。

トローバのソナチネも同じ感じです。
トローバのソナチネの第1、第3楽章はイ長調で、第2楽章はニ長調ですから、
やっぱりその辺が現代風なんでしょうね。

わかったような、わからないような感じですが、
ソナチネとかソナタとかの名前がついているピアノ曲なんかを聞いて
今日の内容をもう少し体感してみたいと思います。