「緊張」と「震え」の歴史

2024年11月4日更新
人前で演奏する時には必ず付きまとう「緊張」で、私は右手が震えてしまいます。
ちょっとやそっとの震えではありません。
弦を掴めなくなってしまうほど震えます。
肘から指先まで全部が変な動きをすることもあります。
ですから、散々やらかしてきました。

「ステージやらかし日記」は、その時の様子や思いを綴っています。
どの記事もその時々の赤裸々な心境を垣間見ることができます。

最初に結論:演奏時の震え

演奏中に手が震えるのは
 ①トレーニングや経験が足りない場合
 ②自律神経を整えなければならない場合

の、2つのパータン。と、あえて言い切ります😤!
そして、②の場合は自律神経がきちんと機能している人からは理解されないことがあります。

私は「自分が①のパターンだ」と思っていましたけど、「①も②両方クリアしないといけない人だった」ということに最近気づきました。

ここ1年以内は特に②の影響だろうなと思っていました。でもわかりにくいんですよこれ。

②だと気づくまでに十年以上の時間を費やしてしまう方もいらっしゃるようで、やっぱり普通は練習不足や経験不足って思いますよね。

以下は気づいて対策を始めるまでの過程を長々と書いています。


というわけで

私の現状(もう少し詳しく)

過去、私が人前で演奏する時に陥ってしまった症状は

・右手が震える感覚が既にあって弾き始められない
・右手が震えて弦を掴めなくなる
・右手の震えに連動して左手がおかしくなる

主にこの3つ、すべて右手の震えに関係しています。

いつもいつもではなくても、たいていは震えてしまいます。2024年9月のギターオーディションは盛大に震えて惨敗でした。ただその後は落ち着いています。

左手や他のところはないの?と聞かれたら、
ドキドキしたり、手汗かいたり、手が冷たく感じたりはもちろんあります。ただ、それは演奏にはあんまり影響しないと思っていました。だけどこれって後で詳しく話しますけど、既に自律神経の中の交感神経が反応している証拠なんですよね。

私、あがり症だから〜


と、仰る方は多くお見かけします。
でも、ほとんどの方は、緊張はされていても、深呼吸やら軽いストレッチやら事前のトレーニングなどで、落ち着くんですよ。

だけど私や「いわゆる、あがり症」の方々って、実際に、弦を掴めなくなったり、肘から指先まで震えて自分ではどうにもできなくなってしまうんです。

コンクールやオーディションに出ると、私と同じような方をたまに見かけると、「辛いよね〜」って思うことがあります。

過去の「震え」一覧

過去にステージで弾いた時の記録です。
※震度は右手の震えの度合い(震えない0← →7激しく震える)
震度2くらいまでなら何とか曲になるレベル、3以上は目視でわかるレベル。

時期場面震度独奏or重奏難易度
2016/09YNUギターフェスティバル2016
(復帰戦・低音親指だけのパートを弾く)
八重奏
2017/04某ギターフェスティバル四重奏
2017/08発表会(内輪)独奏
2017/09YNUギターフェスティバル20174二重奏やや難
2018/06他団体のコンサート客演
(低音親指だけのパート)
1七重奏
2018/11他団体のコンサート客演4七重奏
2019/09YNUギターフェスティバル20194独奏やや難
2021/07Kギターオーディション
(初チャレンジ)
独奏やや難
2021/12フリーコンサート初参加4独奏
(〜中略〜この間2ヶ月に1回程度人前で弾く)2~4独奏
2023/07Kギターオーディション
(2回目のチャレンジ)
4独奏やや難
フリーコンサート
(この間月に1回程度人前で弾く)
1~3独奏
2024/06アンサンブルコンサート(記事・動画あり)1七重奏
2024/07Kギターオーディション
(3回目のチャレンジ)
2独奏
2024/09Gギターオーディション(記事あり)
(初チャレンジ)
独奏
2024/09Cギターコンクール
(初チャレンジ)
2独奏
2024/10ギターライブ(記事・動画あり)0独奏・三重奏やや難
2024/10ソロ公開練習会(記事あり)0独奏やや難
2024/11YNUギターフェスティバル20240七重奏やや難

この結果を見てどう思われるでしょうか。
親指は「震え」とはあんまり関係ないようです。i,m aの指がコントロール不能の時は2弦や1弦へもpを持っていって乗り切ったことがあるくらいなので。
だから、m, aの指が特に震えやすいんです私。

結局のところ、「緊張」で「震えて弾けない」ってどういうことなの?

よく場慣れや経験不足、練習不足なんてことも言われますが、それは絶対に関係していると思います。そもそも自宅で曲を弾きこなせていなかったり、ステージでの所作も身についていないと話になりませんから。

ですが、練習だけでは「震え」は無くならないと思います。

それで色々調べて行き着いたのが自律神経のお話。

自律神経(交感神経と副交感神経)のバランス

練習や経験で「震え」が解決しない理由は、今のところ自律神経の影響だという結論になっています。

やっぱり先に結論を言うと交感神経の過剰反応

いろんな練習と震えの有無を表に表すと

自律神経のバランス
いろんな練習や経験
  ↓
崩れている整っている
十分震えて弾けない概ね満足できる演奏
不十分震えて弾けないミスは多いが弾ける
緊張はしているけれどという前提

と言う感じになるんです。あくまで私の場合。

よく「簡単な曲から人前で弾くといい」なんて言われますよね。
でも、私にしてみたらどの曲も同じなんです。
だって、どんなに簡単な曲でも「「震え」を感じ始めたらほとんど弾けませんから。

だから、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整えてあげないといけないって結論なんです。

「自律神経のバランスを整える」ってなに?

では、ここからは自律神経のお話を簡単に。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経と副交感神経は、自律神経というだけあって、自分の意思とは関係なく勝手に働いてくれています。生きていく上で必要なのだそうで。。。
2つの神経の主な役割は、

交感神経  = 戦闘や闘争の時の神経 → 心臓ドキドキ、息は早くなる、血流はアップ、ワナワナしてくる
副交感神経 = リラックス時の神経  → 眠くなる、だるい、落ち着いている

なので、
「緊張」する場面で、何らかの不安や恐怖を感じて、交感神経が過剰に働き、落ち着かせてくれる副交感神経より優位になると、意思とは関係なく勝手に震えが起きてしまいます。

交感神経が過剰に働く仕組み

  1. 出番前、ステージに出る時間が迫ってくると、恐怖心を感じる脳の部位が活性化
  2. 脳の指令が交感神経を活発化
  3. 交感神経による症状(心臓のドキドキ、震え、息苦しさ)が出る
  4. 自分で症状を自覚する。
  5. 震えや、息苦しさをなんとかしようと焦ったり、上手くいかない状態をますます気にする
  6. 2へ戻り、このサイクルをループする。

日頃から自律神経が整った生活をしている人は、深呼吸やストレッチなどをうまく利用して副交感神経を働かせ、2つの神経のバランスを保てるようです。
しかし、乱れやすい生活をしている人や細やかな性格の人は、どちらかが過剰に働きやすいそうです。

初チャレンジのオーディションで深呼吸が全く役にたたなかったのは、自分ではコントロールできない領域で交感神経が暴れていたんでしょうね。

自律神経が乱れやすい生活?

こうやって考えると、過去から今に至る私の生活、思い当たる節がたくさんあります。

学生時代〜
 深夜・早朝のアルバイト
 夜型生活
 運動不足
 不摂生な食生活

就職後〜
 過度なストレス
 気分転換が下手
 睡眠不足
 運動不足
 学生時代より太った(今は戻せた笑)

喫煙と飲酒はないので、まだ少しはマシなのかもしれないですが、お世辞にも「健康」とは程遠い生活でした。
ギターを復帰して最初に弾けなかったのは、私生活も大変で、かなりのストレスを抱えていた時期だと考えると納得できる部分はたくさんあるんです。

ー現在更新作業中ー

 


練習や経験で改善できると思うところ

1 心構え

「緊張するのは当然で必要なこと」と頭と身体で理解できる
「緊張」の捉え方が変わる

残念ですが緊張しないで済ませられる都合の良い方法などありません。むしろ、『良い緊張は能力を2倍にする』(樺沢紫苑 著/文響社)という書籍に見られるように、どうやら緊張している時の方がパフォーマンスは上がるようです。

「へぇ~そうなんだ」って。

このことを知った頃は、いざ本番となっても、「緊張は大事」と思いながらも、手汗をかいたり、鼓動が速くなったり、胃のあたりが気持ち悪くなったりする身体の反応に対応できないでいました。

慣れるのにどれくらいかかったか覚えていないのですが、頭で理解してからは徐々に「緊張はするもの」として受け入れられるようになっていったと感じます。

2 練習

以前より弾ききれていない箇所が激減した
単純に演奏技術が上がってきた

めげずに練習してきたので、弾けなくて不安という箇所は少なくなりました。時間をかけて手に馴染んだ曲も増えてきたので、その影響もあると思います。

いずれにしても、弾いている途中で不安になる箇所が少ない曲は、やっぱり弾けるんですね。
演奏中に突然震え始めるということもあったんですよ。ごく最近まで。

「ダラダラ一曲を通して弾いているだけ」、「練習しているつもり」は、ありがちな失敗例。これやるとかえって弾けなくなりますね。
丁寧に丁寧に部分練習を重ねると、ほんとに上手くなって緊張に耐え得ると思っています。

3 人前での演奏回数を増やした

フリーコンサートと呼ばれる弾き合い会に、だいたい月に1度は出るようになりました。
場に慣れる、人前での演奏に慣れるのは必要です。

気持ちを整える
  ↓
しっかり練習して準備する
  ↓
人前に慣れる

多くの人はこの過程で段々と良くなっていくようです。
私はそうではなかったですけど。

続く。

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